先行・関連研究を探そう
なぜ関連研究を探すのか?
研究には,なんらかの新規性が求められます.新規性とは過去にない新しいことをやっているという意味です.では,新規性を証明するにはどうすればいいのか?そこで必須なのが先行研究の調査です.「先行研究のない研究」というのはまずありえないと思ってください.言い換えると,先行研究を1つも取り上げられないということは,自分の研究の位置づけがわかっていないということです.先行研究(関連研究)を見つけ出し、
- 自分がやろうとしている研究の位置づけを明確にする
- 先行研究から研究課題を見つける(問題点、未踏の領域を見つける)
という作業を行います。一般的には関連研究を探しながら研究領域全般を見渡し、トップダウンに問題点を見つけて研究テーマ(研究目的)を決定していくというのが正攻法でしょう。ただ、研究の進め方によってはニーズベース、興味ベースでテーマ設定するという研究アプローチもあります。その際は、「ただ必要だから(面白そうだから)研究した」ということにならないよう関連研究を探してください。
参考文献は研究のレベルを映し出す鏡
参考文献をみれば、研究の質がわかります。どのレベルの視点を持っているのか?どのレベルの研究と競っているのか?相手は世界か?国内か?関西か?学内か?それとも研究室か、去年の先輩か?
関連研究の探しかた
一般的には、文献サーベィ、文献レビューと呼ばれるように、関連研究が書かれている論文・書籍等を読んでいく事になります。具体的には下記のとおりです。
- 図書館などで論文誌、学会誌を探す
- 過去の卒論から探る
- 先生に聞く
- ネットで調べる
CiNii ・・・ 国内の論文を探すならここです。
Google Scholar ・・・ネット上での学術情報検索ならここです。思わぬ拾い物があったりします。
先行論文の引用をを辿ってさらなる参考文献を探していくというやり方もあります。
関連研究のまとめ方
関連研究の論文を探し出し、さて読み終えて、、、、どうしますか?なぜ参考文献を探し出して読んだのか思い出してください。あー面白かった!で終わっては行けませんよ。少なくとも
- 研究課題
- 研究アプローチの特徴
- 結論
をまとめておきましょう。関連研究というのはたくさん出てくるわけですから、たくさん文献を読んでいくうちに「あの文献には何が書いてあったかな?」と忘れてしまうかもしれません。フォーマットは自由。自分がすぐに思い出せるようにしておいてください。
そして、もっと重要なこと。冒頭にも書きましたが、関連研究を探す目的は自分の研究の位置づけを明確にし、新規性を見出すためにあります。そこで、たくさん読んだ複数の参考文献を整理して
- 未踏の問題点
- 未踏の研究アプローチ
を見つけましょう。あるいは自分のやっていることが未踏であることを説明しましょう。
参考サイト